新人レタッチャー必見!「肌レタッチ」の壁を乗り越えよう
はじめまして。
イメージソリューション事業部 レタッチャーのKonです。
イメージソリューション事業部では、
「切り抜きPHOTO」「デジタルフォトレタッチ」「ひとフォトレタッチ」といった、画像加工に特化したサービスを展開しています。
私たちレタッチャーは、これらのサービスを通じて日々スキルを磨いていますが、特に「肌レタッチ」は、多くの新人レタッチャーにとって最初の大きな壁となります。
肌の質感やトーンを自然に保ちながら、魅力的な仕上がりにすることは、技術とセンスが問われる繊細な作業です。
この記事では、私がこれまでに学んできた「肌レタッチ」のコツをご紹介します。
初心者の方がこの壁を乗り越えるためのヒントとなれば幸いです。
※この記事はPhotoshopを使った作業を前提としています。
新人レタッチャーに立ちふさがる「肌レタッチ」の壁
新人が最初に直面する壁、それは「肌のレタッチ」です。
基本的な作業であるアホ毛、ゴミ、傷の除去は比較的スムーズにこなせるものの、
肌の質感を保ちながらキメを整える作業は、想像以上に難しいと感じることが多いです。
例えば、次のような状態へと陥りがちです。
「肌を滑らかにしたかったのに、ただぼけてしまった…」
「肌にムラができてまだらになってしまった…」
「どこか顔の印象が変わってしまった…」
私自身も新人の頃、この壁にぶつかりました。
ぼかしツールを使って肌を滑らかにしようとすると、もやっとしてしまう。
スタンプツールでシミを消そうとすると、逆にムラができてしまう。
こんな経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?
「肌レタッチ」はトーンカーブでおこなおう
肌レタッチの課題を解決する鍵は、「トーンカーブ」にあります。
トーンカーブは通常、全体の明暗を調整するために使うことが多いですが肌レタッチにおいては気になる部分の明暗をピンポイントに調整することで、肌の質感を維持したままキメを整えることが可能となります。
まずは、トーンカーブの調整レイヤー※1を作成します。
少し明るめにカーブを調整した後、レイヤーマスク※2を反転(非表示:黒)にします。
反転したマスクを白ブラシでなぞるとその範囲のみトーンカーブが反映されるので画面を見ながら目立つくすみやシミ部分をなぞり、周囲の肌トーンと合わせていきます。
なおトーンカーブの明るさは後からでも変更可能なので明るさが足りない・明るすぎる場合は適度なカーブに調整してください。
- ※1調整レイヤーは、元の画像に直接影響を与えずに色やトーンを調整でき、後からいつでも変更や削除が可能です。
- ※2レイヤーマスクは、画像の一部を隠すためのツールです。マスクは白が表示、黒が非表示、灰色が半透明を表します。
トーンカーブを使った肌補正の3つのポイント
① ブラシの硬さや流量は最小限。筆圧も活用しよう
トーンカーブを使用して肌補正を試みた際に肌が「まだらになってしまった…」という経験はありませんか?
これは、ブラシの硬さや流量の数値設定、筆圧設定の有無が原因です。
硬さや流量の数値が高いほど、トーンの濃淡を表現することが難しくなりムラができやすくなります。
また、筆圧がなければ繊細な表現が難しいため筆圧感知タブレットは必須と言っても過言ではないでしょう。
ブラシの硬さや流量を最小限に抑え、筆圧を適切に調整することで、広範囲なトーン幅を実現し、ムラのない肌レタッチが可能になります。
(ちなみに私は、硬さ0%、流量1~10%程度で作業することが多いです)
② 色のバランスを整えよう
肌は、赤、黄、青、緑といった様々な色で構成されています。
目の下のクマは青みがかかっていたり、ふきでもの周辺は赤みが強くでていたり、髭の剃り跡は青や緑の要素が含まれています。
トーンカーブのチャンネルをRGBからレッド、グリーン、ブルーへ変更し、カラーバランスを調整することで色ムラのない自然な肌色を実現できます。
以下は髭の剃り跡をトーンカーブで補正した際の画像です。
剃り跡周辺の緑みをなくすため補色であるレッドを少し足して周りの色と馴染ませています。
補色とは色相環で正反対に位置する色同士のことをいい、補色を使うことで色を中和して視覚的にバランスをとることが可能です。
③ 顔の立体感を意識しよう
補正作業を進めるうちに、意図せず顔の印象が変わってしまうことがあります。
これは、元々の陰影を消してしまうことが原因です。
例えば、クマを取る際に涙袋周辺を過度に明るくしてしまったり、くすみとともに本来の陰影まで除去してしまうことで、顔の立体感が損なわれ、結果的に別人のような印象になることがよくあります。
補正時には、元の顔の印象を保つために、顔の立体感をしっかりと意識しましょう。くすみと影を見極めながら、必要な部分のみを調整することが大切です。上記のような面取り像と呼ばれる石膏像がありますが、顔の細かなディティールが多面体で表現されているため、大まかな顔の立体感や陰影がとらえやすいです。
(昔、石膏像のガチャポン流行りませんでした???)
まとめ:トーンカーブをマスターして壁を越えよう
これらのポイントを押さえることで、肌の質感を保ちながら、滑らかでキメ細かい仕上がりを実現できます。
肌補正には他にもさまざまな方法がありますが、まずはトーンカーブを使いこなせるようになることが大切です。このスキルを身につければ、高画質な画像でも美しく補正することができるようになります。新人レタッチャーの皆さんが、いち早く肌レタッチの壁を乗り越えられるよう心から応援しています。
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