イメージソリューション

【Photoshop】スマートオブジェクトで仕上げをおこなおう

こんにちは!IS事業部レタッチャーのkonです。

札幌ではとうとう雪虫シーズンが到来しました。
皆さん雪虫は知っていますか?身体に白いふわふわしたものがついている羽虫です。
昨年はニュースでも取り上げられるほど大量発生し、衣類や髪にくっついた状態で通勤した記憶があります…。
秋から冬にかけての風物詩ではありますが、大量発生は勘弁願いたいです。

さて、前回の記事で基本的な人物レタッチ方法をお伝えしました。
今回はお好みで顔のパーツバランス補正や全体のトーン補正をおこない、更に魅力的な画像へ仕上げる方法をお伝えできればと思います。

これらの仕上げをおこなう前に、まずは作業をレイヤーをスマートオブジェクトに変換します。(メニューの「レイヤー」→「スマートオブジェクト」→「スマートオブジェクトに変換」を選択)

「スマートオブジェクトってなに?」
「なんでスマートオブジェクトにするの?」

上記のように思った方、
今回スマートオブジェクトでの編集が重要なポイントとなるので、ぜひこの記事を参考いただければと思います。

※この記事はPhotoshopを使った作業を前提としています。(想定バージョンPhotoshop CC 2021以降)

スマートオブジェクトとは?

スマートオブジェクトは画像を非破壊的に編集できる便利な機能です。

通常のレイヤーだと画像の拡大・縮小を繰り返すことでどんどん劣化していきますが、
スマートオブジェクトに変換後は、元データを保持するため、拡大・縮小などをおこなっても画質が損なわれません。
また、スマートオブジェクトにフィルターを適用すると、フィルターが「スマートフィルター」として扱われ、後から何度でも設定を変更したり、効果をオフにしたりできます。フィルターの適用や強さをリアルタイムで調整できるため、試行錯誤がしやすく、柔軟性と効率を高めることができます。

・👁マークをクリック(非表示)でフィルターの効果オフ
・フィルター名をダブルクリックでフィルタ設定を再編集

作業後、時間をおいて見てみるといまいちだったなんてこともありますよね?そんな不安要素を解消してくれる便利な機能となっています。(後戻りできる心強さたるや…。)

さぁ、スマートオブジェクトに変換したら仕上げ作業にとりかかりましょう。

ゆがみフィルタで顔のバランス補正しよう

顔のパーツバランスやボディラインを整えたいときはゆがみフィルタを使用します。
メニューの「フィルター」→「ゆがみ」を選択すると、編集ウィンドウが表示されます。
様々な機能がありますがおすすめは「顔立ちを調整」機能です。

「顔立ちを調整」機能を使用すると、Photoshopはまず顔を自動的に認識し、それぞれのパーツ(目、鼻、口、顎など)の位置を特定します。その後、各パーツに対してスライダーやハンドルを使って、簡単にサイズや形を調整できるようになります。

例えば、人物の目の大きさや形状に左右差があるように感じるときは、「顔立ち調整」機能で片目ずつ微調整をおこなうことが可能です。スライダーを使って直感的に操作することができるので初心者の方にもおすすめの機能です。

以下、「顔立ちを調整」機能で調整可能なパーツとなります。

1. 目

  • 目の大きさ: 目のサイズを大きくしたり、小さくしたりできます。
  • 目の高さ: 目の位置を上下に移動できます。
  • 目の幅: 目の幅を広げたり、狭めたりできます。
  • 目の角度: 目の傾きを調整し、目の向きを変更できます

2. 鼻

  • 鼻の高さ: 鼻全体の長さ(上下方向の高さ)を調整できます。
  • 鼻の幅: 鼻の横幅を広げたり、狭めたりすることができます。

3. 口

  • 口の大きさ: 口の幅を大きくしたり、小さくしたりできます。
  • 上唇の厚さ: 上唇を厚くしたり、薄くしたりできます。
  • 下唇の厚さ: 下唇を厚くしたり、薄くしたりできます。
  • 口角の上げ下げ: 口の端(口角)を上げたり、下げたりして笑顔や無表情に調整できます。

4. 顔全体

  • 顔の輪郭(輪郭幅): 顔全体の幅を調整して、細くしたり広くしたりできます。
  • 額の高さ: 額の高さを調整できます。
  • 顎の幅: 顎の幅を細くしたり、広くしたりできます。
  • 顎先の形(顎の高さ): 顎の高さを上下に調整して、シャープにしたり、丸くしたりできます。

(※ただし、顔がはっきりと写っていない画像や、斜めの角度から撮影された顔の場合、顔の認識がうまくいかないこともあります。)

⚠ゆがみのかけすぎには注意

スマートオブジェクトは通常の拡大・縮小や回転では画質の劣化が防げますが、「ゆがみ」はピクセルベースの編集となるため、操作を繰り返しピクセルが段階的に変更される結果、見た目が徐々にぼけることがあります。
劣化を避けるためには、複数回に分けてゆがみを適用するのではなく、できるだけ一括で行うことがポイントです。

最終仕上げはCamera Rawでクオリティアップ

最終仕上げはCamera Rawフィルタがオススメです。
メニューの「フィルター」→「Camera Raw」を選択すると、編集ウィンドウが表示されます。

Camera Rawフィルタは写真の明るさやコントラスト、シャドウやハイライトの調整の他、ホワイトバランスや色相・彩度の調整も同時に行えるため、全体的な色味とトーンを一貫して調整できます。

個人的にCamera Rawで便利だと思う部分はダイナミックレンジ(写真の明るい部分と暗い部分のバランス)を細かく簡単に調整できる点です。

また、Camera Rawには多くのプリセットが用意されており、ボタン一つで特定の仕上げスタイルを適用できます。難しい調整を行わなくても、プリセットを適用するだけで写真がプロのように仕上がるため、カメラの設定や色調補正に慣れていない初心者でも使いやすい便利な機能です。プリセット適用後の微調整も可能ですので、自分の仕上げたいイメージに合わせて最適な調整をおこないましょう。

▼プリセット例

スタイル:未来的(FT12)
ポートレート:グループ(PG05)
スタイル:シネマ(CN05)
ポートレート:白黒(PB05)

その他にも高品質なノイズ除去やシャープネス調整など、Camera Rawフィルターひとつで多彩な処理をまとめて行えるため、写真の編集を柔軟かつ効率的におこなうことが可能です。

▼ゆがみフィルタとCamera Rawフィルタで最終調整した画像はこちら

before
after (beforeよりも少し明るい雰囲気かつ秋っぽい印象に仕上げました。)

以上、ゆがみフィルタの「顔立ちを調整」機能とCamera Rawフィルタについて紹介させていただきました。
これらの機能とスマートオブジェクトと組み合わせれば、非破壊的に編集を行えるため試行錯誤を重ねても画質の劣化を心配する必要がありません。
(ゆがみのかけすぎには注意です)

とても頼もしい機能となりますのでレタッチの仕上げの際はぜひ活用してみてくださいね。

DIGITAL PHOTO RETOUCH(デジタルフォトレタッチ)

最後に私たちが運営しているレタッチサービスについてご紹介させていただきます。

私たちはDIGITAL PHOTO RETOUCH(デジタルフォトレタッチ)というデジタル画像専門の画像加工サービスを運営しており、【グッズ制作/広告/Webサイト/SNS投稿写真/ソーシャルゲーム/イベント関係/2.5次元舞台】など数多くのエンターテインメント業界のビジュアル制作を行っております。

お客様の仕上がりイメージに合わせ、幅広いニーズに対応した画像レタッチを行っております。
サービスサイトには、仕上がりサンプルも多数掲載しておりますので、ぜひご確認ください。
またお見積りは無料となっておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください!

お客様が求める仕上がりと齟齬がないよう丁寧にヒアリングいたします。

Kon X@Frencel_is

レタッチャー
アイドル・2.5次元などの人物レタッチを数多く手がけている

好きなラーメン

あっさり系煮干しスープのちぢれ細麺

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