おすすめのスクリーンリーダー「NVDA」について
こんにちは。ネットソリューション事業部の高田です。
今回は弊社のアクセシビリティの検証案件でも使用しているスクリーンリーダー「NVDA」について紹介します。
スクリーンリーダーとは
スクリーンリーダーとは音声読み上げソフトで、視覚障害者の方がパソコンやスマートフォンなどを利用するときに使います。
画面上の情報を音声で読み上げることで、画面が見えなくても情報を取得することができます。
弊社のアクセシビリティ検証では、スクリーンリーダーを使用して読み上げに問題がないかをチェックしています。画面の見た目では問題がない場合でも、ソースコードの書き方によっては、読み上げた際に情報が全く伝わらないことがあるため、実際に読み上げを確認することは大切です。
読み上げソフトの中でもNVDAは無料で使用ができるため、興味のある方はこの機会にインストールしてみることをおすすめします。
NVDAのインストールと起動
NVDAはNVDA日本語版ダウンロードページからダウンロードができます。ダウンロードページの説明に従ってインストールするとNVDAが使えるようになります。
NVDAを起動するとピアノの音と読み上げ音が流れます。これで起動ができている状態です。Ctrl + Alt + Nキーを押しても起動ができます。
起動した状態で好きなウェブサイトを開いて無変換 + 下矢印キーを押すとページ全体を読み上げます。
無変換 + 下矢印キーで読み上げられない場合は、Insert + 下矢印キーを試してみてください。既定の設定では無変換とInsertが割り当てられています。
上矢印キーや下矢印キーのみを押すことで1行ずつ移動して読み上げることも可能です。
また、リンクやボタンなどのインタラクティブな要素はエンターキーで実行し、チェックボックスやラジオボタンはスペースキーで選択します。
※詳しくはNVDA クイックスタートガイドをご覧ください。
NVDAの移動機能(ショートカット)
読み上げが始まると、ただ文字をそのまま読み上げているのではなく見出し、リンク、ボタン、折りたたみメニューなどの要素も音声で伝えていることに気づくと思います。
特に見出しはスクリーンリーダーで情報を素早く取得するのに重要になります。NVDAを起動した状態でHキーを何回か押してみてください。次の見出しに移動して読み上げされたと思います。ウェブサイトの初めから終わりまでをスクリーンリーダーで読み上げて情報を探すと時間がかかってしまうため、スクリーンリーダーを使用して閲覧する方は移動機能を使用される方が多いです。
私は以下の移動機能をよく使用します。
- 見出しの移動 Hキー
- リンクの移動 tabキー
- ランドマークの移動 Dキー
画面を見ながら操作することがまだ多いので、よりキーボードのショートカットを使用して、普段スクリーンリーダーを使用している方と同じような使い方で検証できるようになりたいと思っています。
スクリーンリーダーをより利用しやすくするためには
NVDAなどのスクリーンリーダーはとても便利なソフトですが、ソースコードを適切に実装していないと、正しい読み上げが行われない、移動機能が使えず情報取得に時間がかかるなどの問題が起こります。
ウェブサイトを制作する側が気を付けなければ、スクリーンリーダーを使用していても必要な情報を視覚障害者の方が受け取ることができません。
コーディングした際にはNVDAなどのスクリーンリーダーを使用して、読み上げが問題ないかぜひチェックしてみてください。
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